2016 年 23 巻 2 号 p. 169-172
上腕骨遠位部骨折骨接合時の肘頭骨切りの術後経過を検討した.対象は上腕骨遠位部骨折骨接合時に肘頭骨切りを行った19例.男性6例,女性13例,年齢は平均52歳,観察期間は平均592日.Kirschner鋼線(以下K-wire)を用いてtension band wiringを行った11例をTBW群,スクリューを用いてtension band wiringを行った8例をS-TBW群とし,整復時のgap,step off,合併症について比較検討を行った.整復時のgap(TBW群/S-TBW群)は0.45/0.25mm,step offは0.55/0mm,骨癒合不全は1/0例,バックアウトは3/1例,皮膚障害は4/0例,再手術は2/0例で,いずれも有意差はなかった.簡便かつ正確な整復,合併症を減らすためにもS-TBWは有用な方法であると思われた.