2016 年 23 巻 2 号 p. 350-353
本研究の目的は,上腕骨内側上顆下端裂離骨折(以下:裂離骨折)を有する少年野球選手に対し,受傷初期に外固定を用いた治療を行った症例を評価し,その有用性を検討することである.裂離骨折と診断され,初期外固定による治療を行って,3か月以上経過観察が可能であった少年野球選手151例(平均年齢:11.2±1.2歳)を対象とした.初診時より3か月後にX線撮影を行い,骨癒合状態を確認し,完全復帰を許可した.平均経過観察期間は4.5±4.2か月であり,146例(96.7%)で骨癒合が得られた.野球への競技復帰は149例(98.7%)で可能となり,平均競技復帰期間は4.0±2.1か月であった.治療開始前の母床―裂離骨片間距離は骨癒合例で1.5±0.7mm,未癒合例で4.1±1.3mmであり,有意差を認めた(P<0.01).裂離骨折に対して高い骨癒合率を得られたことから,初期外固定による治療は有用と考えられた.