2016 年 23 巻 2 号 p. 354-357
目的:成長期野球競技者の上腕骨内側上顆下端障害例の受傷初期における軟骨膜の形状を高分解能MRIにて評価し,X線像の経過との関連を検討した.
対象と方法:対象は13例13肘.初診から2週間以内にマイクロスコピーコイルを用いた高分解能MRIで両肘を撮像し,3か月以上経時的にX線にて観察した(平均経過観察期間10.7か月).
結果:X線上,仮骨はMRIで確認された偏位した軟骨膜に沿う形で形成され,最終的に内側上顆は肥大して癒合した.
考察:組織学における軟骨膜の性質と今回の結果より,裂離した骨片と母床の間に仮骨形成が起こるのと同時に損傷された軟骨膜から軟骨再生が起こり,最終的に骨化し肥大に至ると思われた.上腕骨内側上顆下端の障害は骨・軟骨・軟骨膜・靱帯を含む複合組織損傷であり,偏位した軟骨膜に規定される内側上顆の肥大とAOLの輝度変化は,将来のAOL機能不全の要因となる可能性がある.