2016 年 23 巻 2 号 p. 385-387
背景:野球肘検診が全国的に普及したが,無症候性の上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(OCD)に対する対応は各地域で一定していない.
目的:無症候性OCDの治療結果を調査することである.
対象と方法:野球肘検診後の2次検診で無症候性OCDと診断された13肘を対象とした.評価項目は初診時の病巣部位,病期,治療経過,治療後1年でのX線変化と最終競技レベルとした.
結果:初診時病巣部位は中央型が9肘,外側広汎型が3肘,外側型が1肘であった.病期は透亮期が6肘,分離期が6肘,遊離期が1肘であった.平均投球禁止期間は7か月であり,9選手が自己判断で投球を再開していた.最終経過観察時の競技レベルは全例完全復帰した.受診後1年での単純X線写真では,3肘で完全修復したが,7肘で一部修復のままであった.3肘が手術治療を要した.
結語:骨端線閉鎖前の無症候性OCDの自然修復力は高いが,野球継続で症候性に移行する可能性がある.