2016 年 23 巻 2 号 p. 391-393
背景:野球肘検診で上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(osteochondritis dissecans:OCD)を早期発見・治療介入することで予後が改善するとされる.
目的:野球肘検診がOCDの治療状況に影響を与えているか調査すること.
対象と方法:2013年11月から2016年1月の間に栃木県と茨城県西部地区で行われた野球肘検診後の精査で,OCDと診断された14肘(検診群)と検診受診歴なく,肘痛で外来受診しOCDと診断された22肘(外来群)を対象とした.2群間で受診時年齢,ポジション,パターン(病型),病期,治療内容を比較した.
結果:年齢,病期,パターン(病型),治療内容で有意差があった.病期では検診群は透亮期,分離期の割合が多く,外来群は分離期,遊離期のみであった.治療内容でも検診群は保存療法で対応できる症例が多かったが,外来群はほとんどが手術療法であった.
結語:栃木県の広域野球肘検診はOCDを初期段階で検出し,保存療法への速やかな介入を実践しつつある.