日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅺ.リウマチ・炎症
肘関節リウマチに対して中間挿入膜(OMS膜)を用いた関節形成術を行い40年経過した1例
三浪 三千男西尾 泰彦近藤 真加藤 貞利加藤 博之三浪 明男薄井 正道石井 清一
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2016 年 23 巻 2 号 p. 414-417

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抄録

 OMS膜は馬の小腸の腸間膜をクロム化して,1950年代に北海道大学整形外科教室で開発された.開発にあたった三氏の頭文字をとってOMS膜と命名され,動物実験で組織への安全性を確認し,1970年代より臨床応用された.

 現在68歳女性のリウマチ(RA)患者で,28歳時,左肘関節にOMS膜を用いた関節形成術を行い,その後,抗リウマチ剤による治療を続けた.左肘の経過は良く,RAの再発も毒性反応もなかった.RAの治療の効果は不十分であり,2010年より生物学的製剤投与を開始した.投与4年目頃より寛解期をむかえ改善してきた.同時に,左肘も順調な経過をとり,術後40年68歳時の可動域は-40°~130°と痛みもなく適合性に優れたX線学的関節再生が認められた.この症例では,OMS膜が長期にわたった骨,関節への親和性を継続し,適切な治療によるRAの低活動性の維持が良好な結果になったことを示唆していた.

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© 2016 日本肘関節学会
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