2017 年 24 巻 2 号 p. 148-151
緒言:上腕骨遠位coronal shear fracture(コロナルシェアフラクチャー 以下CSF)は上腕骨遠位端骨折の6% 程度と比較的まれな外傷である.今回われわれは上腕骨遠位CSF Dubberley分類type 3Bに肘頭骨折・内側上顆骨折を合併した症例を経験したので報告する.
症例:82歳女性,転倒し受傷.上腕骨小頭後壁が粉砕し上腕骨小頭前方と上腕骨滑車骨片・内側上顆骨片の大きな転位を伴うDubberley分類type 3BのCSFを認め肘頭骨折を合併していた.受傷後8日目にSynthes社:VA-LCP Plate・Acumed社acutrack micro screwを用いて後方アプローチで手術施行.術後9か月で肘関節可動域は伸展-25°,屈曲115°JOA-JES scoreは88点であった.
考察:CSFに対する手術アプローチとしては,外側アプローチ・前方アプローチ・前外側アプローチ・後方アプローチなどが報告されている.今回われわれは,肘頭骨折を合併していることから後方アプローチを選択し手術を施行した.前方近位までアプローチでき関節面の修復も可能であった.肘頭骨折を合併するCSFでは肘頭骨折の部位によっては後方アプローチが第一選択となると考えられた.