2017 年 24 巻 2 号 p. 155-158
Posterior Monteggia fracture-dislocationの3例を経験したので報告する.
3症例の内訳は78歳,80歳,61歳女性で全例に鉤状突起骨折を伴った肘頭粉砕骨折,橈骨頭骨折を認めた.全例手術を行い,後方アプローチにて鉤状突起骨片を尺骨遠位骨片にKirschner鋼線で仮固定した後,橈骨頭骨折に対し症例1で骨接合を症例2,3で人工橈骨頭に置換した.肘頭にはプレート固定を行い,最後に外側側副靱帯修復を行った.術後最終調査時の日整会-日肘会肘機能スコアはそれぞれ75,82,85点であった.Posterior Monteggia fracture-dislocationは鉤状突起やさらに遠位部を含んだ三角形や四角形の骨片を伴う尺骨近位部粉砕骨折を認め,橈骨頭が後外側に脱臼し,橈骨頭骨折を合併することも多い.尺骨滑車切痕の再建のため鉤状突起骨片の整復,固定法については十分留意する必要がある.