日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
I.小児骨折・先天性疾患
小児の外傷後内反肘変形に対してModified Step-cut Osteotomyを施行した2例
大久保 宏貴普天間 朝上仲宗根 素子金城 政樹金谷 文則
著者情報
キーワード: 内反肘, 骨切り術, 小児
ジャーナル フリー

2017 年 24 巻 2 号 p. 22-25

詳細
抄録

 Modified step-cut osteotomyは骨切り部の接触面積が広く,安定性が良好で,lateral prominenceを生じにくい.本法に過伸展矯正を追加した2例を報告する.

 症例1:9歳男児.左上腕骨通顆骨折後の内反肘変形(内反25°伸展10°内旋10°)に対して本法を施行した.術中,尺骨神経がOsborne靱帯部で牽引されたため,これを切開した.術後尺骨神経麻痺を生じたが3か月で完全回復した.最終観察時,外反5°伸展0°に矯正された.

 症例2:6歳男児.左上腕骨顆上骨折後の内反肘変形(内反20°伸展20°内旋20°)に対して本法を施行した.あらかじめOsborne靱帯を開放し,術後尺骨神経障害はなかった.最終観察時,外反5°伸展0°に矯正された.

 過伸展矯正の追加は可能であった.Osborne靱帯切開が尺骨神経麻痺の予防に重要と考えられた.

著者関連情報
© 2017 日本肘関節学会
前の記事 次の記事
feedback
Top