日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
I.小児骨折・先天性疾患
学童期における上腕骨遠位骨端離開の治療経験
齋藤 育雄小林 由香高木 岳彦清水 あゆ子石井 崇之池田 全良渡辺 雅彦
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2017 年 24 巻 2 号 p. 26-29

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抄録

 上腕骨遠位骨端離開は,2歳以下での受傷が多く骨折の際には疑うが,10歳前後では外側顆骨折や肘関節脱臼骨折の骨片との鑑別が難しい.初療時にSalter-Harris 4型と診断した,9~12歳の3例について検討した.全例で関節造影は施行されず,2例は上腕骨外側顆骨折,1例は上腕骨外側顆骨折を伴う肘関節脱臼と診断していた.外側顆骨折と診断した2例は,外側顆のみを整復したため,滑車から内側顆の整復不良による遠位骨の回転変形が残存した.1例は肘関節可動域制限に対し矯正骨切り術を行い,1例は内反肘を認めたが手術は希望しなかった.学童期の肘関節の単純X線でThurston-Holland signを認めたときは,上腕骨遠位骨端離開,上腕骨外側顆骨折と上腕骨外側顆骨折を伴う肘関節脱臼の鑑別をするため,関節造影で正確に診断する必要がある.

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© 2017 日本肘関節学会
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