2017 年 24 巻 2 号 p. 19-21
上腕骨顆上骨折は小児の肘関節周辺骨折の中で最も頻度の高い骨折であり,神経血管損傷や内反肘等,様々な合併症を伴うことがある.顆部壊死は稀な合併症であり,本邦においてはほとんど報告されていない.われわれは内側顆部の壊死を疑う所見を呈した2症例を経験したので,文献学的考察を加えて報告する.2006年から2015年までに当院において治療を行った小児上腕骨顆上骨折196例を対象とし,単純X線画像所見,臨床症状および合併症に関し調査を行った.保存的に加療を行った症例のうち2症例に単純X線画像上,上腕骨内側顆部の骨壊死を疑う所見を認めた.単純X線画像上は,同様経過を示したが,MRI上は異なる所見を呈した.一過性の血流障害であるのか,fishtail deformityを形成する途中経過を見ているのか定かではないが,受傷後数年してから疼痛や可動域制限を来す可能性があるため,長期の経過観察が必要と思われた.