2017 年 24 巻 2 号 p. 242-245
上腕骨小頭離断性骨軟骨炎に対しては多くの手術方法が報告されているが,外側壁を含む広範型については治療に難渋する.われわれは,病巣部の関節軟骨面の状態を,関節の軟骨面が不連続であり関節軟骨の摘出が必要な関節面含有型,関節面の軟骨が連続しており関節軟骨の温存が可能な関節面温存型に分けた上で,関節面含有型に対しては,病変部を郭清し,大腿骨外側顆の大腿脛骨関節および膝蓋大腿関節の関節面を含まない部位から骨皮質を含む骨軟骨片を一塊として採取し移植し,関節面温存型に対しては,軟骨の連続性が保たれている部分を温存し,開窓した外側壁から病巣部の軟骨下骨を掻爬した後,腸骨からの海綿骨を充填し腸骨壁により外側壁を再建した.これまで,大腿骨外側顆の骨軟骨片移植を3例,腸骨移植を1例に施行したが,いずれも強固な外側壁の再建が可能であり,短期成績は良好であった.