2017 年 24 巻 2 号 p. 238-241
症例34歳,男性.上腕骨小頭離断性骨軟骨炎に対して大腿骨外側顆非荷重部から採取した骨軟骨柱を移植し,上腕骨小頭病変はドナー膝に交換移植した.術後9か月経過した頃からドナー膝痛が出現し,徐々に増悪した.画像所見からドナー部の骨軟骨隆起による膝蓋大腿関節障害と診断し,術後1年6か月で膝関節鏡手術を施行したところ,骨軟骨柱採取部位に隆起を認め膝関節屈曲で膝蓋骨と接触し軟骨の摩耗がみられた.隆起を切除しドナー膝痛は消失した.骨軟骨柱移植に伴うドナー膝障害の報告は少ないが,本術式を行う際の注意点と思われた.