日本肘関節学会雑誌
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Print ISSN : 1349-7324
XI.基礎
円回内筋両頭の筋活動が肘関節の動的支持機能へ与える影響
小泉 裕昭大山 峰生小田桐 正博松沢 翔太中村 雄一藤目 智博草野 望坪川 直人森谷 浩治
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2017 年 24 巻 2 号 p. 385-388

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抄録

 目的:円回内筋は前腕回内運動を主機能とする二頭筋であり,外反制動機能も持つとされている.本研究では円回内筋の両頭の肘関節内反運動課題における筋活動を導出し,その機能を検討した.

 方法:対象は健常成人6名とした.課題運動は最大努力による内反運動とし,双極ワイヤー電極を用いて筋電図を導出した.測定肢位は肘関節0,45,90度の3肢位,前腕は各肘関節肢位で回内と回外の2肢位を設定した.

 結果:内反運動課題の筋活動は,上腕骨頭が最大回内運動時の20%,尺骨頭が40%程度であり,肘関節および前腕肢位による影響は認めなかった.また全ての測定肢位で,尺骨頭が上腕骨頭に比べ有意に高値を示した.

 考察:両頭ともに内反運動で筋活動が生じたことは,両頭は外反制動機能を有することを示している.尺骨頭は上腕骨頭に比べ高い活動が生じたことに加え尺骨頭の解剖学的構造を踏まえると,尺骨頭はより強い外反制動機能を有する.

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© 2017 日本肘関節学会
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