日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
I.小児骨折・先天性疾患
小児上腕骨内側上顆骨折に対するCannulated Screwを用いた治療経験
成田 裕一郎千馬 誠悦
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2017 年 24 巻 2 号 p. 66-69

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抄録

 目的:小児上腕骨内側上顆骨折に対してcannulated cancellous screw(以下CCS)を用いて骨接合を行った10例10肘について検討した.

 対象と方法:男8女2,右1左9,平均年齢13歳で,Watson-Jones分類でtype IIが4,type IVが6であった.手術は3.5ないし4.0mm径のCCSを用いて行い,術後は2週間のギプス固定の後,可動域訓練を行った.

 結果:8例で初回手術後に骨癒合が得られたが,2例で再手術を要した.骨片が破損して再転位しtension band wiring法で再骨接合したのが1例,偽関節となり掻爬して海綿骨および骨釘移植を行ったのが1例でいずれも骨癒合が得られた.全例でスポーツに復帰し,JOA-JES scoreは平均98.8点であった.

 考察:本法は,簡便で強固な固定性が期待される一方,スクリューによる骨片の破損,圧着不足による偽関節を生じる可能性があり,適応と手技に注意して行う必要がある.

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© 2017 日本肘関節学会
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