2017 年 24 巻 2 号 p. 88-91
尺骨急性骨塑性変形に伴う橈骨頭脱臼は比較的まれな外傷であり,診断には前腕を含む正確な単純X線撮影を行い,健側の単純X線像と比較することが重要である.当科で治療を経験した5症例を報告する.症例は5例5肘であり,年齢は3歳が1例,4歳が1例,5歳が2例,10歳が1例であった.橈骨頭の脱臼方向は4例が前方で1例が外側であった.全例で神経麻痺や血管損傷の所見は認めなかった.初診時に無麻酔下で橈骨頭の徒手整復を試みた.受傷から徒手整復までの時間は全例4時間以内で,平均約2.5時間であった.4例で橈骨頭脱臼の徒手整復が可能であり外固定を継続した.1例は整復不能であり観血的脱臼整復を行った.最終経過観察時に尺骨に軽度の弯曲が残存しているが疼痛や可動域制限は認めず橈骨頭の再脱臼は認めていない.新鮮例で尺骨の弯曲が軽度であればまず橈骨頭の徒手整復を行うべきであると考えた.