2017 年 24 巻 2 号 p. 92-94
症例:8歳男児.3年7か月前に自転車で転倒して左上腕骨顆上骨折を受傷し,近医で経皮的ピンニングが行われた.術直後より橈骨神経麻痺となったが,術後3か月で自然治癒した.内反肘変形のために当科を紹介された.初診時,左内反肘変形が認められたが,疼痛や可動域制限はなく麻痺も認められなかった.X線像および3DCTで,上腕骨遠位骨幹端外側部に骨トンネルが認められた.内反肘変形に対する矯正骨切り術を計画した.肘外側部を展開すると,橈骨神経から分枝した数本の神経束が骨トンネルに巻き込まれていることを確認した.神経束は,ノミで骨トンネルごと浮上させた.上腕骨は17°の外反骨切りを行い,骨切り部でやや屈曲位となるように創外固定器で固定した.術直後より橈骨神経麻痺となり,術後4か月で運動麻痺は完全に回復したが,橈骨神経浅枝領域の知覚低下が残存した.
上腕骨顆上骨折後に形成された橈骨神経を巻き込む骨トンネルの1例を報告した.