日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
I.小児骨折・先天性疾患
小児の陳旧性肘関節脱臼の1例
千馬 誠悦成田 裕一郎
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キーワード: 陳旧性脱臼, 肘関節, 小児
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2017 年 24 巻 2 号 p. 95-97

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抄録

 症例は4歳の女児,分娩麻痺による左上肢不全麻痺があった.2年前から左肘関節および前腕の可動域制限が生じ,左肘関節脱臼が疑われ,紹介された.左肘関節と前腕の自動可動域は伸展-55°,回内-10°と制限され,伸展と回内の筋力低下もみられた.単純X線像で左肘関節の内側脱臼が認められた.手術は内外側からアプローチし,尺骨神経を剥離,上腕三頭筋内側頭をZ延長し,関節周囲の軟部組織を剥離,前方関節包を切除,介在する軟骨や瘢痕肉芽組織を除去した.術後5週から可動域訓練を開始した.術後1.5年の時点で可動域が伸展-50°,回内-10°と制限されているが,再脱臼はみられていない.手術で軟部組織を解離し,緊張する腱は延長し,関節内に介在する組織の切除により整復が可能となった.予後不良となる要素もあり,今後も注意深く経過をみていく必要がある.

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© 2017 日本肘関節学会
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