2018 年 25 巻 2 号 p. 128-131
緒言:上腕骨外側顆偽関節に対し肋骨肋軟骨移植を行った症例を経験したので報告する.
症例:46歳,男性.建設現場作業中に車に追突され受傷した.Gustilo IIの上腕骨外側顆開放骨折の診断で骨接合術を施行したが,関節面は粉砕していたため完全な整復は困難であった.術後4か月で骨透亮像が明瞭となったため2回目の手術を施行した.しかし外側顆骨軟骨片は小さく固定に難渋した.術後8か月で外側顆は偽関節となったため3回目の手術を行った.肋骨肋軟骨移植を行いスクリュー固定を行った.術後2週から関節可動域訓練を開始し,術後7か月で骨癒合を認め,関節可動域良好,痛みなく,経過良好である.
結語:肋骨肋軟骨を新鮮化した偽関節部に十分に挿入し,スクリュー固定を行うことで比較的強固な初期固定が得られ,良好な成績が得られた.