日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
IX.腫瘍・感染
肘部に発生した単発性グロムス腫瘍の1例
古川 真也冨塚 孔明山口 太平長尾 聡哉長岡 正宏
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キーワード: グロムス腫瘍, , 単発性
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2018 年 25 巻 2 号 p. 304-306

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抄録

 37歳男性.20年程前より左肘に有痛性腫瘤を自覚したが放置していた.ぶつけた際の激痛が遷延し,精査目的で近医より当科紹介初診となった.初診時,左肘に1cm大で可動性があり弾性軟の有痛性腫瘤を触知した.超音波検査では境界明瞭な低エコーの腫瘤像が描出され,内部に血流信号を伴っていた.造影MRIでもT1WI等信号,T2WI高信号,被膜様の辺縁に造影効果を伴う9mm大の腫瘤性病変が確認できた.治療診断目的で腫瘍摘出術を施行した.病理検査では腫瘍細胞は小型類円形で,血管周囲でシート状に配列していた.免疫組織化学染色ではαSMA・ビメンチンは陽性,S100蛋白・ケラチンは陰性であり,グロムス腫瘍の診断であった.術後6か月の現在,再発は認めていない.肘グロムス腫瘍の発生は比較的まれとされており,自験例では患者のADL制限が少なかったため長期間放置したことが診断までに時間を要した一因ではないかと思われた.

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© 2018 日本肘関節学会
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