2018 年 25 巻 2 号 p. 31-34
症例:11歳,男性.跳び箱で前方宙返りに失敗して左手をついて受傷.肘関節の疼痛と変形を生じ,同日当科を紹介受診した.
初診時所見および経過:画像所見では橈骨頚部骨折を伴った肘関節後方脱臼で,橈骨頭骨片は上腕骨内側顆の遠位に位置していた.同日手術を行い,前方から橈骨頭骨片を摘出し,後方脱臼を整復して外側からノンロッキングプレートで固定し,橈骨から骨移植を追加した.初回手術後3か月でスクリューが折損して骨折部が再転位したため,2枚のロッキングプレートに腸骨移植を併用して再骨接合術を行った.再手術後5か月で骨癒合が得られ,術後3年5か月の現在,肘関節は伸展0°,屈曲140°,回外35°,回内45°で疼痛や不安定性はなく,JOA-JES scoreは85点であった.
考察:本例は肘関節交差脱臼に伴った不安定性の高度な脱臼骨折と考えられ,変形性肘関節症に注意した慎重な経過観察を要する.