創傷
Online ISSN : 1884-880X
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特集1:次世代のケロイド・肥厚性瘢痕治療
ケロイド・肥厚性瘢痕治療の発展と未来
小川 令赤石 諭史百束 比古
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2014 年 5 巻 2 号 p. 56-62

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抄録
 現時点では1つだけの治療法でケロイド・肥厚性瘢痕を完治させるのは困難であり,炎症や物理的刺激を軽減する目的で,複数の治療法を組み合わせて集学的治療を行うのが現実的である。また,ケロイド・肥厚性瘢痕の治療には,疼痛・色調・形態・機能の改善といった種々の目的を考える必要がある。さらに,ケロイド・肥厚性瘢痕治療では,「再発」を危惧するあまり患者の「治療目的」を見失い,治療の放棄をしてはならないと考えられる。漫然と効果のない治療を繰り返すのは,治療の放棄と同様である。よって,手術という選択肢で,局所の複雑な慢性炎症の状態をリセットし,新たに生じてくる弱い炎症としたうえで予防に全力を尽くす,という考え方も必要であると考えられた。また未来の薬剤の開発を目指すならば,「線維塊を消失させるための薬剤」ではなく,「ケロイド・肥厚性瘢痕を発生させない予防的投与薬」の開発が必要であると思われた。
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© 2014 一般社団法人 日本創傷外科学会
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