日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
II.成人骨折・脱臼
A.L.P.S. Elbow Plating Systemを用いた上腕骨遠位端骨折に対する手術治療
南野 光彦小寺 訓江友利 裕二高井 信朗
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2018 年 25 巻 2 号 p. 78-81

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抄録

 A.L.P.S. Elbow Plating Systemを用いて内固定を行った上腕骨遠位端骨折17例17肘の治療成績と本プレートの有用性を検討した.骨折型はAO分類A2:7例,C1:4例,C2:3例,C3:3例であった.全例後方アプローチで内外側にプレートを設置し,肘頭骨切りは6例に加えた.全例骨癒合し,JOA-JES scoreは平均87.9点,Mayo Elbow Performance Scoreは平均92.9点で良好な成績が得られた.本プレートはlow profileで,小柄な高齢女性に対しても骨表面への適合性が良好で,また仮固定後も骨に合わせて3次元in-situ bendingができることにより,スクリュー刺入方向を調節してより強固な固定が得られる可能性がある.しかし遠位骨片が粉砕,小骨片の場合,スクリュー径3.5mmでは太い傾向があり,径2.7mmを複数刺入できるプレートが勧められる.

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© 2018 日本肘関節学会
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