抄録
上腕骨遠位端coronal shear fracture,Dubberly分類 Type3Aの2症例を経験し,アプローチを検討したので報告する.手術は症例1は前外側appで,症例2は外側Appで展開し,acutrak mini/acutwist screwで骨接合を行い,後療法は術後7日目より自動可動域訓練を開始した.術後1年で異所性骨化や骨壊死なく骨癒合良好,可動域はどちらも130°/-10°,JOA-JESスコアは症例1:96,症例2:97,握力は健側比症例1:94%,症例2:95%と改善した.本骨折は骨折型により適したapproachの選択が重要で,Type3Aは前外側appを推奨されている報告がある.今回小頭骨片の転位が大きい症例2に対して外側Appで用いたが骨折面が見やすく整復が容易であり術後成績も症例1と変わなかった.
小頭骨片が大きいType3Aは外側appも有用であった.