抄録
上腕骨顆上骨折とMonteggia骨折を同側上肢に合併し,正中神経障害を認めた1例を経験したので報告する.症例は6歳男児で,遊具より転落して受傷した.正中神経領域のしびれを認め,橈骨動脈の触知は可能だった.単純X線では上腕骨顆上骨折Gartland分類type III,Monteggia骨折Bado分類type Iを認めた.同日手術施行,前腕開放創を洗浄デブリすると,尺骨近位骨片に持ち上げられた正中神経を認めた.上腕骨顆上骨折は前方アプローチで展開し,経皮ピンニング固定した.尺骨は肘頭から髄内釘で経皮ピンニング固定した.この時点で橈骨頭は整復されていた.術後5週で可動域訓練を開始し,術後4週で正中神経障害は改善し,術後8か月で骨癒合は良好で,可動域は良好で,疼痛,内反肘はない.同側上肢に上腕骨顆上骨折とMonteggia骨折を合併した報告は極めて稀で,文献的考察を含めて報告する.