2020 年 27 巻 2 号 p. 1-3
上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(OCD)の病変は上腕骨小頭に限局するため,単純X線では肘屈曲45度撮影による病変の描出が有用である.通常の単純CTでは上腕骨軸に合わせてMPR像を作成するが,上腕骨小頭軸に合わせた撮像の方がより正確に病変を描出できるのではないかと仮定した.当院でOCDの診断がつき,通常の単純CT撮影に加えて上腕骨小頭軸に合わせた撮影も行った7名を対象とした.上腕骨軸の冠状断像をC群、上腕骨小頭軸の冠状断像(oblique-coronal imaging; OCI撮影)をOC群とし、病変サイズを両群間で比較した.結果は,横幅でOC群が有意に大きく,縦幅でOC群が有意に小さかった.病変の軸と撮影軸が近似することで、本来の病変サイズを反映できた結果と考える.OCI撮影は実際の病変サイズを把握できる撮影法と考えられる.