抄録
肘関節脱臼に伴う新鮮肘側副靭帯損傷に対し,縫合糸素材の小径JuggerKnot Soft Anchorを用いた靭帯修復術を積極的に施行し,術後は早期にリハビリテーションを開始した15例15肘の術後成績を報告する.術後成績は,橈骨頭粉砕骨折を合併した1例に可動域制限が残存したが,概ね良好な成績が得られ,不安定症や合併症を生じた症例は無かった.JuggerKnot Soft Anchorによる新鮮肘靭帯修復術は,以前の金属製anchorに比べ,ドリル孔が小さいため引き抜き強度が強く,更に複数本のanchorの設置が可能となるため,強固な固定が可能となり,早期運動療法にも耐え得る利点があると思われた.