抄録
外側上顆炎の主病態はECRBの腱付着部症とされるが,滑膜ヒダ,輪状靭帯などの関節内病変の関与に加え,ステロイド注射に伴うLCL損傷の合併も報告されている.LCL損傷を合併した外側上顆炎に対して手術を施行した症例を報告する.外側上顆炎に対して鏡視下手術を行った48肘中,LCL修復を追加した8肘を対象とした.術前に平均4.5回のステロイド注射を受けていた.術前MRIではECRB,LCLを含む広範囲に輝度変化を認め,鏡視所見ではLCL損傷や腕橈関節の不安定性を認めた.手術は鏡視下にECRBと滑膜ひだの掻爬後,小切開でLCLを修復した.平均VASは術前66が術後5に,肘機能スコアは術前37.8点が術後96.9点と有意に改善した.ステロイド注射はLCLの変性断裂を生じることがあるため,手術では術前MRIでLCLの評価を行い,鏡視所見で腕橈関節の不安定性を認める場合は修復を考慮する必要がある.