日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅹ. 治療法
ゼロポジション近似肢位での肘伸展筋力と肩肘関節モーメントとの関係
田村 将希阿蘇 卓也尾崎 尚代田鹿 佑太朗鈴木 昌西中 直也
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2020 年 27 巻 2 号 p. 389-393

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抄録
目的:肩肘関節モーメントの増大が投球障害の一因となるが,ゼロポジション近似肢位での等尺性肘伸展筋力(Zero 伸展筋力)との関係は不明である.本研究の目的は,Zero伸展筋力と最大肩内旋モーメント(MIRM)と最大肘内反モーメント(MVM)との関係を検討することである.
材料および方法:健常成人男性17名を対象とした.投球動作を3次元動作解析装置VICON を用いて測定し,MIRMとMVMを算出した.Zero伸展筋力は酒井医療社製モービィを用い計測した.Zero伸展筋力とMIRMおよびMVMとの関係をSpearmanの順位相関係数を用いて検定し,有意水準は5%未満とした.
結果:Zero伸展筋力とMIRMとMVMとの間にはそれぞれ負の相関関係を認めた.
考察:Zero伸展筋力を発揮できると,加速期では肘伸展が主動作になりやすい.その結果,肩肘関節への負荷を軽減できると考察する.
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© 2020 日本肘関節学会
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