抄録
当科における難治性上腕骨外側上顆炎に対する外側側副靱帯修復術の治療成績を検討した.術後6か月以上経過観察可能であった7名8肘を対象とした.外側側副靱帯修復術の手術適応としては,無麻酔下での肘伸展位,30°屈曲位での内反ストレステストのいずれかもしくは両方において肘外側の著明な疼痛が出現する,無麻酔下での肘伸展位,30°屈曲位での内反ストレステストのいずれかもしくは両方において健側と比較し腕橈関節の開大を認める,MRI にて外側側副靱帯を含めた伸筋群付着部に一部でも高信号像を認める,の3つのすべての条件を満たすものとした.外側側副靱帯補強術を6肘に靱帯再建術を2肘の行った.補強術においては術後VAS, JOA-JES score, Quick DASHが有意に改善していた.Nirschlの成績評価では優3肘,良4肘,可1肘であった.