日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅶ. 炎症・感染
同種骨を使用したImpaction bone grafting法による人工肘関節再置換術を施行した関節リウマチの1例
高岡 純一小沼 賢治助川 浩士大竹 悠哉髙相 晶士
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2021 年 28 巻 2 号 p. 163-166

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抄録
 Impaction bone grafting(IBG)法によるCoonrad-Morrey(CM)型人工肘関節再置換術を経験したので報告する.症例:58歳,女性.38歳時に関節リウマチと診断され, 44歳時に当院で左CM型人工肘関節置換術を施行した.術後13年の単純X線にて上腕骨インプラントの緩みを確認し,その4カ月後に左肘痛が増強した.画像検査にて上腕骨骨折を認めた.骨折に対しては保存的に加療した.Campbell approachにて展開した.上腕骨側インプラントは容易に抜去された.北里大学骨バンクより入手した同種大腿骨骨頭を4個を使用し,IBG法にて再置換術を施行した.術後,2年の現在,左肘関節痛やインプラントの緩みはなく経過良好である.本邦ではIBG法を用いたCM型人工肘関節の再置換術の報告は少ない.今後,再置換術症例が増加することが予想されるが,地域骨バンクとの連携が重要である.
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© 2021 日本肘関節学会
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