抄録
はじめに:肘関節後外側回旋不安定症(PLRI)を伴った小児上腕骨外側顆sleeve骨折の1例を報告する.
症例:8歳女児.友人と遊んでいる際に転倒し受傷した.受傷後16日目に当院に紹介され受診した.単純X線正面像及び3D‐CT像で上腕骨外側顆sleeve骨折と診断し ,単純X線側面像で腕頭関節の亜脱臼を認め,PLRIの存在が示唆された.術中所見では,骨軟骨片に関節包,肘関節外側側副靱帯複合体,前腕伸筋群が付着しており,小頭骨片の広範囲に関節軟骨が伴っていた.肘関節伸展位で前腕を回外させると容易に脱臼した.引き寄せ鋼線締結法で固定し,不安定性が消失した.術後1年の経過で可動域制限,不安定性は認めない.
考察:骨軟骨片には軟部組織が付着しており,付着部ごと裂離するためPLRIを来すと考えた.診断には3D‐CT像が最も有用で,治療法は手術治療が望ましい.