日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅲ. 外傷・外傷合併症
上腕二頭筋遠位部断裂に対するアンカー修復術の術後成績
銭谷 俊毅齋藤 憲射場 浩介高島 健一山下 敏彦
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2022 年 29 巻 2 号 p. 126-130

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抄録

 上腕二頭筋遠位部断裂は放置すると上腕二頭筋の拘縮や筋力低下を生じる.今回,当科における上腕二頭筋腱遠位部断裂に対する術後成績について報告する.上腕二頭筋遠位部断裂に対し手術加療を行った5例5肘を対象とした.男性4例,女性1例受傷から手術までの待機期間は平均15ヶ月,手術時年齢は平均60歳だった.手術は比較的受傷早期の4例でアンカーを用いた断裂腱の付着部への再縫着を,診断後47ヶ月経過していた1例ではPL腱を用いて補強し,再縫着を行った.JOAスコアも術前平均72/100から94/100となった.また,1例で術後4年経過後に上腕二頭筋腱縫着部周囲の滑膜炎で再手術を要した.上腕二頭筋遠位部断裂に対する手術療法と臨床成績に対して検討した.1 例で縫着部位の滑膜炎による再手術を認めたが,手術療法により疼痛,筋力,可動域は改善を示した.

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© 2022 日本肘関節学会
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