抄録
保存療法に抵抗性の上腕骨内側上顆炎に対して直視下手術を行い,6か月以上の経過観察が可能であった14例14肘の臨床成績を調査した.男性6例,女性8例,手術時平均年齢は53.4歳であった.手術は,回内屈筋群起始部の筋膜を繊維方向に切開して深層を展開したのち,変性組織を切除し,内側上顆部を部分切除したのち,回内屈筋群起始部の筋膜を縫合し修復した.全例で術後に上腕骨内側上顆部の圧痛は消失し,抵抗下手関節屈曲テストも陰性化した.VASは術前平均78.6から最終診察時平均2.1,JOA-JES scoreは術前平均20.9点から最終診察時平均97.9点,DASH score は術前平均34.1点から最終診察時平均4.0点といずれも有意に改善した.