日本肘関節学会雑誌
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Print ISSN : 1349-7324
Ⅲ. 外傷・外傷合併症
Sideswipe injuryにおける外傷性肘外側側副靭帯欠損に対して靭帯再建をした1例
松山 善之
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2023 年 30 巻 2 号 p. 176-179

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抄録

Sideswipe injuryにおける外傷性肘外側側副靱帯(LCL)欠損に対して靱帯再建をした1例を報告する.
【症例】41歳男性,自動車運転中に車両が横転し受傷した.肘外側に開放創を認め,上腕骨外側上顆欠損,LCL-Complex(LCL-C)の近位が欠損,LCL-Cの遠位は一部残存していた.半腱様筋腱を用いてLCL-C再建術を施行した.
【考察】LCL再建は上腕骨外側上顆に骨孔をあけ等尺性に靱帯再建をする方法があるが,メルクマールの外側上顆が欠損している場合,回転中心に骨孔をあけて靱帯再建をすることは困難である.本症例は外側上顆欠損があったが,LCL-Cの生理的なY字構造におけるConjointPointを考慮し再建靱帯で橈骨頭を外側から支え,上腕骨小頭中心のやや前方に靱帯を通すことで肘関節を安定化し,早期から可動域訓練を行い良好な機能を得た.

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© 2023 日本肘関節学会
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