抄録
外側壁を含む広範型上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(OCD)は時にその治療に難渋する.著者らは膝又は腸骨より骨皮質を含む骨軟骨片を移植し外側壁を再建する方法を行っており,その中期成績を報告する.対象は16例16肘.全員男性で競技は全て野球.平均年齢13.9歳.手術は,病巣部の関節軟骨面が不連続である再建群と連続性を有する温存群に分類し,再建群には大腿骨外側顆から骨皮質を含む骨軟骨片を移植し,温存群は関節軟骨は温存し外側壁を開窓し病巣部の軟骨下骨を掻爬し,腸骨から海綿骨を移植し腸骨壁により外側壁を再建した.再建群は11例,温存群は5例で全例骨癒合は良好で関節症の進行はなかった.肘関節可動域,運動時VAS,JOA-JES scoreは術後統計的に有意に改善し全例競技復帰した.骨皮質を含む移植骨を用い外側壁を再建する本手術の中期成績は良好で,外側壁を含む広範型OCDに対する有効な治療法の一つとなり得る.