抄録
小児上腕骨骨折に合併した橈骨神経麻痺に対して超音波下ハイドロリリースを行った1例を報告する.神経麻痺の伴わない上腕骨顆上骨折を受傷した7歳男児に対してピンニングをしたが,術後3日頃より橈骨神経麻痺を認め,術後1週に橈骨神経の支配筋肉の筋力はMMT1になった.受傷後12週経過しても麻痺の改善なかった.エコー検査にて橈骨神経確認したところ骨折部直上で橈骨神経の走行異常を認め,超音波下ハイドロリリース施行したところ,翌日より感覚の改善を認め,ECU優位に筋力の改善を認めた.9回の処置により,術後半年でMMT5に回復を認めた.骨折に合併する橈骨神経麻痺は自然に回復することが多いが早期剥離を行う報告も散見される.3ヶ月の保存療法に抵抗性であった橈骨神経麻痺に対して超音波下ハイドロリリースを行ったところ,施行後より徐々に筋力の改善を認めた.低侵襲であり骨折に伴う神経麻痺に対する選択肢の一つとなりうる.