日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅲ. 外傷・外傷合併症
Coronal shear fragmentを有する上腕骨遠位端関節内骨折の治療経験
大野 義幸白井 之尋山本 恭介
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2023 年 30 巻 2 号 p. 88-93

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抄録

 当院におけるCoronar shear fragment(以下,CSFg)を有する上腕骨遠位端関節内骨折12例12肘の治療成績を検討した.骨折型の分類ではDubberley分類1A:1肘,1B:2肘,2A:1肘,2B:1肘, 3A:1肘,3B:3肘,ならびにAO分類C3で,かつCSFgを有するもの(以下,AO-C3(CSFg)):3肘であった.結果:後壁の粉砕(Dubberley subtypeB),AO-C3に合併などで重症度,手術難易度が上がり,術後成績も悪化した.12肘のうち10肘に術後肘関節拘縮を合併症として生じたが,うち5肘に関節授動術を行い,成績の改善が得られた.AO-C3(CSFg)例の治療は後方皮切,後方アプローチによるダブルプレート固定後に,別に前方皮切,前方アプローチで,CSFgを直視下に double thread screwなどで解剖学的強固に固定するのがよい.

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© 2023 日本肘関節学会
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