抄録
当科で経験したTrans-olecranon fracture dislocationの2症例を調査した.2症例とも軟部組織の腫脹軽減を待つため受傷後約2週間目に手術を行い,鉤状突起を含む大きな骨片が存在していたため前方後方ともにプレートで挟み込み固定をおこなった.さらにLCL complexに対して縫合修復をおこなった.最終観察時のMEPSはともに100点のexcellentであった.本骨折の治療戦略においては肘関節全体に対する骨性および軟部制動を強固におこなうことが必要であり,いかに早期の後療法につなげられるかが重要であると思われた.