抄録
小児の上腕骨内側上顆骨折を伴ったまれな症例を経験したので報告するとともに肘頭骨折に注目し過去の文献をレビューしたので報告する.
【症例】10歳男児.ベッドから転落し手をついて受傷.上腕骨内側上顆骨折,橈骨頭前方脱臼,肘頭骨折,尺骨のbowing deformityを認めた.観血的整復固定術を施行し,術後1年で可動域制限を認めていない.
【方法】今回小児肘頭骨折に注目し論文をレビューした.Monteggia type 1 equivalent損傷を調査した.比較疾患として外反損傷受傷が明らかなJeffery型骨折も調査し,論文内に肘関節レントゲン画像が記載されており肘頭骨折を有するものを採用した.それらの肘頭骨折の骨折型をLiの肘頭骨折の分類で比較した.
【結果】Monteggia型は20例,Jeffery型骨折は24例が採用となり,それぞれ19例,22例がtypeⅢであった.