日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅳ. スポーツ障害
診断に難渋したPanner病の2例
宮島 明博坂田 亮介
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キーワード: Panner病, 骨端症, 保存療法
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2024 年 31 巻 2 号 p. 223-225

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抄録
【目 的】発症から診断までに時間を要したPanner病の2例について報告する.
【症例1】7歳男児,誘因なく左肘関節痛と曲げにくさが出現,症状が改善しないため発症3ヵ月で当科紹介となり,発症4ヵ月時に実施したMRIでPanner病の診断に至った.患肢安静により発症6か月で症状は改善した.
【症例2】10歳男児,ゴルフの練習中に右肘痛が出現,症状改善しないため発症3ヵ月で当科紹介となった.単純X線で上腕骨小頭骨端核の辺縁硬化像と内部透亮像を認め,MRIでPanner病と診断し患肢安静を指示,治療開始3ヵ月で疼痛改善を認めた.
【考 察】Panner病は上腕骨小頭の無腐性壊死による骨端症で,ほとんどの症例で自然修復が得られ予後良好である.しかしPanner病は症例報告も少なく,誤診や見逃しが多いとされ注意が必要であり,小児の肘関節痛の診察においてPanner病も鑑別疾患として注意を要する.
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© 2024 日本肘関節学会
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