日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅴ. 上顆炎・腱付着部炎
上腕骨外側上顆炎に対する体外衝撃波療法の治療効果に影響する因子について ~患者背景と心因性要素~
彌富 雅信鶴田 敏幸小松 智峯 博子井上 美帆
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2024 年 31 巻 2 号 p. 226-230

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抄録
 上腕骨外側上顆炎(LE)における集束型体外衝撃波療法(ESWT)の治療効果に影響する患者背景と心因性要素について調査した.対象はESWTを施行した41例41肘.方法は治療成績良好群と不良群に分け,患者背景は年齢,性別,職業,発症エピソードの有無,罹病期間,初診時・最終Numerical Rating Scale(以下 NRS)と,心因性要素はPain Catastrophizing Scale(以下PCS)を2群間で比較した.結果,不良群の患者背景に疼痛発生のエピソードが存在した.PCSは2群間において差はみられなかったが,良好群不良群に関わらず生活障害との関連性がみられた.PCSは罹病期間長期例で高値を示したが,その半数はESWTの効果が得られ改善した.よってLE患者の心因性要素としての痛みの破局的思考は,元々ある先行要因と後に発生した後発要因が考えられ,難治例になる可能性が示唆された.
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© 2024 日本肘関節学会
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