抄録
上腕骨外側上顆炎(LE)における集束型体外衝撃波療法(ESWT)の治療効果に影響する患者背景と心因性要素について調査した.対象はESWTを施行した41例41肘.方法は治療成績良好群と不良群に分け,患者背景は年齢,性別,職業,発症エピソードの有無,罹病期間,初診時・最終Numerical Rating Scale(以下 NRS)と,心因性要素はPain Catastrophizing Scale(以下PCS)を2群間で比較した.結果,不良群の患者背景に疼痛発生のエピソードが存在した.PCSは2群間において差はみられなかったが,良好群不良群に関わらず生活障害との関連性がみられた.PCSは罹病期間長期例で高値を示したが,その半数はESWTの効果が得られ改善した.よってLE患者の心因性要素としての痛みの破局的思考は,元々ある先行要因と後に発生した後発要因が考えられ,難治例になる可能性が示唆された.