抄録
3Dプリンター製継手を使用した肘関節装具を使用し,治療を行った肘関節脱臼骨折患者を報告する.症例は69歳男性.転倒により左肘関節脱臼骨折,尺骨鈎状突起骨折を受傷した.保存療法として2週間のギプス固定後,伸展制限付きの装具を作製する方針となった.継手の作製には3Dプリンター(Creator Pro@)を使用した.継手の接合面に孔を空け,接合部部分で伸展角度の制限を設定できるようにした.スプリント材にて作製した前腕・上腕支持パーツと連結させ装具を完成させた.受傷後2週間で屈曲60° までの伸展制限付き装具とし,その後2週間で屈曲40° までの伸展制限に変更し,さらにその後2週間で装具除去とした.受傷後9か月で左肘伸展0° ,屈曲140° ,回内外制限はなくJOA-JESスコアは100点であった.今回作製した伸展制限が設定可能な継手は,段階的に可動域制限を解除していく場合に有用であると考えられた.