2025 年 32 巻 2 号 p. 249-252
肘関節ガングリオンは比較的稀な病変であるが,橈骨神経を圧迫することで橈骨神経管症候群や後骨間神経麻痺の原因となることがある.今回われわれは,橈骨神経管症候群を呈した肘関節ガングリオンに対し,超音波ガイド下関節鏡視下切除術を施行した1例を経験した.症例は34歳男性で,右肘外側から前腕伸側にかけての痛みを訴えていた.MRIおよび超音波検査にて,橈骨頭前方の関節包に連続する嚢胞性腫瘤を認めた.関節鏡視下手術においては,超音波を併用することでガングリオンの位置や神経・血管の走行,シェーバー先端を随時確認しながら安全に操作が可能であり,ガングリオン茎部を含めた病変の確実な切除に有用であった.術後は疼痛が速やかに改善し,橈骨神経麻痺などの合併症も認めず,5年間の経過観察で再発もなかった.本術式は,低侵襲かつ安全性に優れ,肘関節ガングリオンに対する有効な治療選択肢となり得る.