日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅵ. 神経疾患
肘部ガングリオンによる後骨間神経麻痺の術後回復経過と臨床的特徴
白幡 毅士湯浅 悠介齋藤 光千馬 誠悦
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2025 年 32 巻 2 号 p. 245-248

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抄録

肘部に発生するガングリオンは後骨間神経を圧迫し,指伸展障害や肘外側部の疼痛を引き起こすことがあるが,麻痺の程度によって臨床症状や回復経過に差がある可能性がある.本研究では,2013年1月から2024年3月までに当院および関連施設で肘部ガングリオンによる後骨間神経麻痺と診断され,手術を施行した6例を対象に,術後の回復過程と臨床的特徴について後ろ向きに検討した.完全麻痺例では,術後2か月までは筋力の回復が乏しかったが,術後3か月以降に改善を示し,6か月時点でMMT 4~5に回復した.一方,不全麻痺例では術後翌日にはMMT 5まで改善を認めた.不全麻痺では神経圧迫が軽度なため手指伸展障害の自覚がなく,動作時痛のみを主訴とすることが多く診断が遅れやすい.早期診断には後骨間神経支配筋の筋力評価およびFrohseのアーケード部の圧痛の有無を慎重に観察し画像検査の必要性を判断することが重要である.

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