2025 年 32 巻 2 号 p. 270-272
類骨骨腫は長管骨骨幹部に好発し,関節内発生は稀である.今回,肘関節内に発生した類骨骨腫の1例を経験した.症例は58歳男性で,3年前より肘関節外側の疼痛が持続していた.近医で上腕骨外側上顆炎と診断され保存的治療が行われていたが,夜間痛が強く当院を受診した.画像検査にて上腕骨遠位外側前方に骨腫瘍を認め,関節鏡下に3Dモデルを用いた拡張現実技術を併用して摘出術を行った.腫瘍は滑膜に一部覆われていたが,一塊で摘出できた.病理所見は類骨骨腫と診断され,術後疼痛は改善した.関節内類骨骨腫は診断が遅れることが多く,保存治療抵抗性の疼痛には精査が必要である.視野不良の際には拡張現実を用いた関節鏡手術が有用となりうる.