2025 年 32 巻 2 号 p. 267-269
比較的に稀な非結核性抗酸菌感染による上腕二頭筋橈骨滑液包炎の1例を経験したので報告する.66歳女性,特に誘因なく右肘周囲の腫脹を自覚したため受診した.肘関節外側に腫瘤と上腕二頭筋腱周囲に腫瘤を認めた.MRIで外側はT1強調像で等信号,T2強調像で高信号の病変を認め,上腕二頭筋腱周囲にSTIR像で高信号の中に米粒体と思われる低信号の小結節の集簇を認めた.手術を施行し,外側の腫瘤と上腕二頭筋腱周囲の滑液包と米粒体の切除を行った.PCR検査は陰性,病理組織では類上皮肉芽腫を認めた.術後6週時に培養でMycobacterium chimaeraが検出され,胸部CTで肺NTM症の病変を認め,抗菌薬内服を開始した.12か月内服行い,その後は再燃なく経過している.肘周囲でも非結核性抗酸菌感染が発生しうることを認識し,病理組織検査で同感染が疑われる場合は早期の抗菌薬開始が望ましい.