2025 年 32 巻 2 号 p. 66-69
上腕骨滑車基部に骨折線を伴う上腕骨遠位部粉砕骨折では,滑車骨片が独立し,固定に難渋することがある.本研究では,上腕骨滑車骨片の固定に外側プレートが有効であった3例3肘を報告する.平均年齢は65.7歳,平均観察期間は14.7か月であった.全例で骨癒合を得て,滑車骨片へのスクリュー刺入本数は平均3.7本であり,最終可動域は伸展−8.3°,屈曲136.7°,MEPSは全例100点であった.肘関節内骨折では解剖学的整復と早期運動療法に耐えうる強固な固定が求められ,ロッキングプレートからのスクリュー刺入が望ましい.内側プレートからは,解剖学的な位置から滑車骨片へのスクリュー刺入は難しく,後外側プレートではサポートホールからの刺入となり,他のスクリューとの干渉が問題となる可能性がある.外側プレートでは複数本のスクリュー刺入が可能であり,滑車基部骨折を伴う上腕骨遠位部骨折に対して有効な選択肢となる.