2025 年 32 巻 2 号 p. 70-73
外傷性上腕骨外顆部骨欠損の2例に対して遊離腸骨移植を行った.症例1:39歳,女性.右肘Sideswipe injury. 外側側副靱帯と上腕骨小頭,および滑車の一部に欠損を認めた.症例2:75歳,女性.上腕骨外顆部の粉砕を伴う上腕骨遠位端関節内骨折.いずれも遊離腸骨移植による骨再建および外側側副靱帯の再建を行った.肘関節の内反不安定性は認めず,経過中に関節症性変化に乏しかった.本症例では腸骨移植により形状の適合性を活かして骨再建を行い,肘関節の安定性を確保でき,臨床成績は良好であった.欠損範囲が外側50%までの症例においては,腸骨移植と靱帯再建の併用が肘関節の安定性確保に有効であり,軟骨再建は必須ではない可能性が示唆された.