2025 年 32 巻 2 号 p. 90-92
肘頭骨折の近位骨片に十分な大きさがない症例に,通常のtension band wiring(TBW)法による内固定では十分な固定性が得られず,固定方法に工夫が必要となる.術前の単純X線,CT矢状断像で半定量的に近位骨片が小さいと判断した症例にスリーブボックスを有するAI-Wiring SystemのAI-ピンミニを用いたTBW法による内固定を実施した.2本のスリーブボックスと貫通する2本のケーブルをワッシャー様に機能させ,鋼線やAI-ピンシングルより広い面積で近位小骨片の把持が可能で,骨折部分を圧着固定ができた.本研究ではAI-ピンミニを使用した小さな近位骨片症例の近位骨片長は平均:11.3 mmで,良好な初期固定が得られ,骨折部の骨癒合を認めた.スリーブボックスを近位骨片,上腕三頭筋と共に圧着するように挿入し,突出を抑えて挿入したことで,インプラント周囲痛や皮膚刺激症状を認めなかった.